生ける法
※法律相談,具体的事例に関する質問にはお答えできません。
「社会あるところ,法あり。(Ubi societas, ibi ius.)」という古い法格言があります。その解釈には様々あるのですが,基本的には読んで字の如く「社会の存在するところ法もまた存在する」ということを顕わした言葉であるとされています。つまり,我々が生活を営む社会には必ず法が存在するのです。
みなさんは,“法”とか“法律”と聞いて何を連想しますか?「別に法律に背くことはしていないから,法律なんて自分とは縁のないものだろう」と思う人もいるでしょう。たしかに刑事法においては,自らが犯罪を犯すかあるいは被害者にでもならない限り,普段からこれと深く関わっているという感覚を持つことはないかもしれません。しかし,刑事法ももちろんですが,とりわけ私人間の権利・義務等を律する民法などに関していえば,上の法格言からもわかるように我々はあらゆるところで法と関わっているのです。
例えば,“契約”というと契約書を交わすものしか思い浮かばない人もいるでしょう。しかし,学生どうしの「メシおごるから今日の授業の出席カード出しといてくれよ。」「OK わかった。」というやりとりだって,立派に契約(民法 521条以下)の問題となりうるのです。いくぶん大袈裟な表現かもしれませんが,我々は社会生活を営む以上すでに“法によってがんじがらめ”にされているのです。
その,我々にとって身近な“法”というものを,ここであらためて考えてみましょう。