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Cyber-Law FAQ

ソフトウェアに関するもの


【0501】 「著作権フリー」と表示された画像集のCD-ROMなどをよく見かけますが,そうしたものには本当に著作権がないのでしょうか(著作権は放棄できるのでしょうか)?

「(財産権としての)著作権の放棄」は概念上は可能ですが実際にこれを公示する方法(その旨を登録・登記する方法)がありません。また,そもそも著作者の生存中およびその死後 50年存続する(原則)はずの著作権という財産権を,著作(権)者の意思表示によって消滅させることが,相続人など権利の承継者の利益を図るという観点から見て妥当かどうかという問題があります。

以上の点に鑑みて,「著作権を放棄する」というのは「著作権を行使しない」旨の意思表示であると解釈し,これによって著作権が当然に消滅するものではないと考えるべきでしょう。そして,いったん「著作権を放棄する」(「著作権を行使しない」)と言っておきながらその者があとになって著作権に基づく損害賠償請求等をした場合などには,これを権利濫用ないし信義則違反(民 1条)であるとしてその請求を斥けるのが相当であると考えます。

【0502】 ビデオゲーム・ソフトウェアの中古品販売の是非について,ゲームが「映画の著作物」であるかどうかが問題だと聞きました。これはどういうことでしょうか?

「映画」というと,普通は映画館で上映されるようなものを思い浮かべるでしょう。一方,著作権法は「映画の著作物」について「映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され,かつ,物に固定されている著作物を含むものとする」と規定しています(著 2条 3項)。ですから,フィルムに記録される昔ながらの映画はもちろん,磁気テープや光学ディスクに記録されたものも,それが映画の効果に類似する方法で表現されていれば,著作権法にいわゆる「映画の著作物」であるということになります。ただし,「物」に固定されていることを要しますから,たとえばテレビの生放送などは「映画の著作物」たりえません。

かつて,「パックマン事件」(東京地判昭59・9・28 無体例集 16巻 3号 676頁)において裁判所は,ビデオゲームの影像が ROM に固定されていることと,プレイごとに異なる影像が出力されてもそれがあらかじめ作り手によって意図されていたものである点をもって,これを「映画の著作物」であると判示しました(もっとも,この事件の裏には,原告であるゲーム製作会社が,ROM の無断複製を行った者が誰かわからなかったので,ゲーム機自体を設置して影像を流していた者を訴えたという事情があります。)。

ところで,映画の著作物に係る著作権には「頒布権」という支分権が含まれています(著26条)。「頒布(はんぷ)」とは,有償・無償を問わず著作物の複製物を公衆に譲渡・貸与することをいい,映画の著作物または映画の著作物において複製されている著作物(原作脚本やサウンド・トラックの音楽など)にあっては,これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を(公衆ではない特定少数に)譲渡・貸与することも含まれます(著2条1項19号)。要するに,映画の著作物の頒布権とは,著作物たる映画の複製物(劇場用映画をプリントしたフィルムや録画されたビデオ・テープなど)が譲渡・貸与されるのをコントロールする権利であるということができます。昔ながらの劇場用映画にあっては,戦略的に,プリントしたフィルムをまず“ロードショー館(封切館)”に配布して映画を公開し,それから“二番館→三番館→名画座”というように同じフィルムを引き継がせるわけですが,この流れをコントロールするのに「頒布権」が重要な役割を果たすのです。

この頒布権の規定と,先述の「映画」の定義に関する規定とを併せ考えると,著作物を収録したビデオのレンタルや中古販売を頒布権でコントロールすることが可能となります(したがって,著作権法23条の3に規定される貸与権では映画の著作物が除かれているのです。)。近時ビデオゲームの中古販売に関して問題になっているのはまさにこの点で,(1)ビデオゲームは映画の著作物であるゆえこれに頒布権が存するのか,(2)映画の著作物でないゆえ頒布権もないのか,それとも,(3)映画の著作物ではあるが頒布権はないのか,はたまた(4)映画の著作物で頒布権もあるがそれは最初の譲渡によって消尽するのか,ということなのです。前者であればゲームの著作権者が当該ゲーム・ソフトの中古販売をコントロール(許諾または禁止)することができますが,後三者であればそれはできないということになります。

この点について,地裁レベルの判断は,「ゲーム・ソフトは映画の著作物ではなくゲームの著作権者は頒布権に基づく差止請求権を有しない」とした東京地判平11・5・27判時 1679号 3頁と,「ゲーム・ソフトは映画の著作物でありゲームの著作権者はその頒布権に基づいて中古販売を差し止めうる」とした大阪地判平11・10・7判時 1699号 48頁とに分かれていましたが,両者の控訴審はいずれもゲーム・ソフト制作者の差止請求権を否定するに至りました。もっともその論理は,東京高裁が「ゲーム・ソフトは映画の著作物であるが頒布権の目的としての“複製物”には当たらない」(東京高判平13・3・27最高裁ウェブページ)とする一方で,大阪高裁は「ゲーム・ソフトは映画の著作物であるがその頒布権は第一譲渡によって消尽する」(大阪高判平13・3・29最高裁ウェブページ)と判示しており,それぞれ微妙に異なっています。

【0503】 ソフトウェアに特有の契約の方式と,その効力について教えてください。

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