不正競争防止法 (大阪工業大学・知的財産学部&知的財産研究科)
著名表示冒用行為(2条1項2号)
企業の努力によって得られたブランド・イメージが持つ顧客吸引力を保護
→1号参照
5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または併科(21条2項2号)
※著名表示に係る信用・名声を「利用して不正の利益を得る目的」またはこれらを「害する目的」を要する
※非親告罪(同条3項の反対解釈)
X(原告)は「青山学院大学」「青山学院中等部」等の学校を設置運営する学校法人であり,Y(被告)もまた学校法人である。Xは,その設置する前記各学校またはその集合体を表すものとして「青山学院」,「Aoyama Gakuin」の各名称(以下「X名称」という)を用いており,他方Yは,その設置運営する中学校に「呉青山学院中学校」,ローマ字表記,英語表記として「Kure Aoyama Gakuin」,「Kure Aoyama Gakuin Junior High School」の名称(以下「Y名称」という)をそれぞれ用いていた。
Xは,Yの上記名称使用行為が不正競争行為に当たり,またXの有する商標権を侵害するとして,不正競争防止法 2条 1項 1号,2号または商標法 36条 1項に基づき,上記行為の差し止めと 1000万円の損害賠償を求めた。
一部(差し止めのみ)認容。
Ⅰ 〔Xが設置運営する学校の沿革,全国に渡る入学志願者の存在とこれに対するアンケートの結果,卒業生の活躍,広報活動等についての認定〕事実によれば,X名称は,遅くとも平成 11年 3月までには,Xが行う教育事業及びXが運営する各学校を表す名称として,学校教育及びこれと関連する分野において著名なものになっていたものと認めることができる。
Ⅱ 一般に営業表示の類否については,取引の実情の下において,取引者又は需要者が両表示の外観,称呼又は観念に基づく印象,記憶,連想などから両表示を全体的に類似のものと受け取るおそれがあるか否かを基準として判断するのが相当である〔(最判昭59・5・29 民集38巻7号920頁参照)ところ,認定事実から判断すればY名称はいずれもX名称と〕類似する。
〔「呉青山学院中学校」という名称は営業の普通名称であり,不正競争防止法 11条〈注:現19条〉1項 1号が適用されるとのYの主張につき,〕地名……に「学院」の語を直接続けた「○○学院」の名称を用いている〔中学・高校〕の数は〔その〕総数からみれば極めて小さな割合であり,また,……その多くは,単に当該地名により表された地域に所在する学校という意味を超えて,特定の経営主体により設置運営されている特定の学校を示す固有名称として社会的に認識されていること……に照らせば,所在地の地名と「学院」の組合せが,普通名称又は学校について慣用されている表示に該当すると認めることはできない。