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教育研究業績書

平成21年 6月 13日

関堂幸輔


著書,学術論文等の名称 単著・共著の別 発行又は発表の年月 発行所,発表雑誌等又は発表学会等の名称 概要
著書
1. 情報と法 共著 平成10年5月 中央経済社

「情報と法」ないし「情報に関連する法」という幅広いテーマでまとめられた概説書である。「情報公開」「個人情報保護」といった憲法・行政法における重要論点はもとより、「財産」ないし「私権の客体」としての情報という私法の視点からも法的問題を取り上げ、さらには法情報の検索等についても言及している。

(編著者:清水幸雄
共著者:辻田芳幸,関堂幸輔,奥田進一)

今日の情報化社会における憲法の重要性を中心に解説した。まず、市民の重要な権利の一つとして「知る権利」を取り上げ、その根拠として、日本国憲法21条が保障する表現の自由を中心に諸説ある旨を紹介し、ついでこれを具体化したものとしての情報公開制度につき、地方公共団体の情報公開条例(執筆当時わが国の情報公開法は未制定)とそれに関する裁判例の判旨に触れつつ概説した。さらに、報道と人権、すなわち市民の知る権利に奉仕するものとしての報道とその対象となる者の名誉ないしプライバシーの権利という、相対する人権の衝突をどのように解決するかについて、名誉毀損罪の特例を規定する刑法230条の2とこれに関する裁判例を参照しつつ検討した。(7頁,単著)

発明等の工業所有権(産業財産権)に係る情報を技術情報と、また著作物等の著作権・著作隣接権に係る情報(いわゆるコンテンツ)を文化情報とそれぞれ位置づけ、そうした情報に対する保護の重要性等につき概説した。また、これらの情報の取引において重要な役割を果たすライセンス(実施権、使用権または利用許諾)の類別・態様に触れるとともに、国際的な観点では伝統的に各国権利独立の原則が採られている知的財産権法制の今日的問題、すなわち情報通信技術の発達に伴いボーダレス、シームレス化が進む今日において、そのようなサイバー・スペースでの技術・文化情報の保護の在り方等についても検討した。(10頁)

企業経営において重要な役割を果たす情報の一つとして、営業秘密(トレード・シークレット)および商標に関する法制について解説した。まず、営業秘密については、いかなる情報が営業秘密たりえるか、そしていかなる行為が営業秘密の侵害となるかという不正競争防止法上の要件と、これに対する救済について概説した。ついで、商標の保護には出所明示・品質保証という消費者保護の公益的な意義もある点を指摘し、さらに原産国(原産地)表示に関する諸制度として、JAS法や不正競争防止法に基づく表示義務、国際協定としてのTRIPs協定の意義、そして生産地表示保護に重要な役割を果たす団体商標制度について触れた。(8頁)

2. 民法 Ⅳ 【債権各論】 共著 平成11年4月 八千代出版

民法の債権各論に関する概説書である。(386頁)

(編著者:佐藤隆夫・上原由起夫
共著者:小川由美子、田沼柾、渡辺博之、清水千尋、奥冨晃、藤井俊二、松井宏興、森田悦史、関堂幸輔、下村正明)

担当部分:第2章「契約各論」第10節「委任」および「Topic 11: 死後の事務処理を含む委任契約」

担当部分のうち本文では委任契約の意義・要件・効果等を概説し、さらにコラム(Topic)では、死後の事務処理を含む委任契約の問題点、とりわけそのような委任契約によって委任者の相続人における解除権が制限されるか否かという点につき、判例・学説を参照しつつ解説し、遺言制度の趣旨にも鑑みて、相続人の意思を不当に制限・拘束するような委任者による解除権の制限は効力を有しないものと解すべきであるとした。(pp.256~268 単著)

3. すぐ役立つ借地借家の法律知識 共著 平成11年6月 法学書院

新借地借家法に関する具体的問題を一問一答形式でわかりやすく解説したもので、借地借家契約の当事者となるべき地主・家主や借主を主な想定読者としている。平成14年3月に改訂版が、平成16年3月に改訂第2版が出版されている(以下、共著者および頁数等は改訂第2版による。)。(319頁)

(編著者:小野幸二
共著者:高梨俊一、麻生利勝、石川信、長瀬二三男、斉藤英彦、関堂幸輔、山崎広道)

担当部分:パート3「借家」のうち「3 借家の期間はどのように決まるか?」(p.189)、「4 借家関係はどのような場合解消されるか?」(pp.192~193)、「5 借家契約はどのように更新されるか?」(pp.194~196)、「6 更新料は払わなければならないか?」(pp.198~199)、「7 家主は更新を拒絶できるか?」(pp.200~201)、「10 用途変更と用方違反」(pp.210~211)、「11 失火と借家人の責任」(pp.213~214)、「12 入居者を制限する特約は有効か?」(p.215)、「13 家主の修繕義務と管理責任」(pp.216~217)、「15 マンションの管理費はだれが負担するのか?」(p.220)、「17 分譲マンションの賃貸借契約」(pp.223~224)および「30 社宅の貸与」(pp.257~258)、ならびにパート4「定期借家」のうち「1 更新されない建物賃貸借」(p.262)、「4 取壊し予定の建物の賃貸借」(pp.267~269)および「6 定期借家の中途解約は?」(pp.272~273)の計15節(計27頁 いずれも単著)。

4. デジタル・クリエイティブ・ガイド 単著 平成12年11月 インタービジョン クリエイティブネットワーク本部・広告AUDIT委員会

広告業者である発行者が、その従業員もしくは下請業者またはその取引業者等を対象に、広告等に関連する知的財産法の啓蒙を目的として作成・配布した小冊子である。従来の媒体による広告のみならず、インターネット(ウェブページ)等で展開される広告について特に重要性を増す知的財産権に関し、「インターネット時代の著作権保護」、「ITとビジネスモデル特許」、「ウェブ制作と著作権」など全16項目のテーマを設けて解説、いずれも単独で執筆した。(34頁)

5. 基本民法シリーズ Ⅴ 
親族法・相続法(第2版)
共著 平成13年4月 八千代出版

民法第四編および第五編(親族法・相続法)に関する概説書で、主に大学等で親族・相続法を学ぼうとする者を想定読者として編集・執筆されたものである。特に重要な判例についてはその判旨だけでなく簡単な事実関係をも紹介するなどして、読者の便宜を図っている点に特徴がある。成年後見制度を導入する等した平成12年民法改正に伴い、昭和63年に出版された第1版を全面改訂した。(609頁)

(編著者:小野幸二
共著者:廣瀬隆司、須賀昭徳、伊東明、三村芙美子、木幡文徳、関堂幸輔、石川恒夫、高橋敏、辻朗、柴田敏夫、石田雅男、高松靖)

担当部分:親族法―第6章「後見、保佐および補助」

第2版改訂に際し、民法改正に係る上記部分を初版担当執筆者に替わり執筆した(pp.263~274 単著)。民法所定の後見(未成年後見および成年後見)、保佐および補助に関する説明のほか、任意後見制度についても項目を設けて説明をなした。

また第2版全体に渡り、法改正および判例の更新に係る記述の調整・チェックを行った。

6. 知的財産権事典 共著 平成16年1月 丸善出版事業部

著作権法や特許法はもちろん、種苗法、半導体チップ保護法や関連条約に至るまでを網羅した知的財産権全般に関する事典である。各項目の解説文は、研究者や企業実務家はもとより高校生など一般の読者をも想定するという編集方針に従って執筆された。(406頁)

(編集委員:半田正夫、牧野利秋、盛岡一夫、角田政芳、三浦正広
執筆者:相川俊彦、青木篤、青木孝之、青木博通、青山紘一、関堂幸輔 他127名)

担当部分:「著作権法」の分野の「3 保護を受ける著作物とはなにか」における「(1) 著作物の種類」のうち「h. 写真の著作物」

伝統的な写真はもちろん、その製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物も写真の著作物に含まれる点を指摘し、さらに近時爆発的に普及したデジタル・スチルカメラ(デジカメ)によって撮影された影像データも写真の著作物たりえると解説した。(pp.52~53 単著)、

「5 権利の制限」における「(7) 公共目的のための利用」のうちの「b. 政治上の演説等の利用」、「c. 時事の事件の報道のための利用」および「(8) 出所の明示」

前者については、それぞれ権利が制限される場合の利用目的や利用態様の異同について簡潔に説明した。また後者については、出所明示が義務づけられる場合を説明し(視覚障害者のための改正法に対応)、併せて出所明示義務違反に刑事罰が科せられる点を述べた(pp.96~97 単著)。

7. インターネット上の誹謗中傷と責任 共著 平成17年3月 商事法務

電子掲示板への書き込み等によってなされるインターネット上の誹謗・中傷行為に関する特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)の運用についてまとめられた書籍であり、企業の法務部新規配属者が一読了解できる程度のレベルが想定されている。具体的には、上記論点に係る事例をピックアップし、それぞれ「判決の要点」「事実の概要」「解説」および「実務へのインパクト」という構成で各部分の担当者が執筆を行った。

(共編者:情報ネットワーク法学会・㈳テレコムサービス協会
編集委員:森亮二、丸橋透
執筆者:会田和弘、入江晃史、大谷和子、小倉秀夫、岡村久道、奥村透、落合洋司、桑子博行、関堂幸輔 他計18名)

担当部分:「小学館事件」

東京地判平16・3・11(平成15年(ワ)第15526号=対談記事の参加者である原告漫画家とこれが収録された書籍を出版した原告出版社が、当該対談記事の内容を無断で匿名電子掲示板に転載(複製・送信)されたことについて、当該電子掲示板の管理者に対して著作権侵害および条理上の削除義務を根拠にその投稿内容の削除と損害賠償を求めた事例)に関し、上記執筆要綱に従って紹介・解説したものである。裁判所は、原告らの著作権を侵害した者はあくまで掲示板の発言者であって被告ではないとし、プロバイダ責任制限法の趣旨からも被告の責任を認めるべきではないと判示したが、この点を中心に本件判決が実務に与える影響を検討した。(pp.241~249 単著)

8. 知的財産権質疑応答集 共著 平成19年4月 第一法規

知的財産権法に関するあらゆる領域を網羅した加除式の書籍で,テーマごとに設けられた質問に対して解答・解説するという形式で書かれている。

(編著者:知的財産法研究会
執筆者:後藤晴男、尾中普子、有阪正昭、関堂幸輔 他計31名)

担当部分:「コンテンツとは何ですか。従来の著作物等との異同とその問題点について説明してください。」

平成18年11月発行の「追録第156~163号」に引き続き,「追録第164号~168号」において別記担当部分を執筆した。まず「コンテンツ」という言葉の意義を明らかにし,また平成16年に制定されたコンテンツ促進法の趣旨および概略を説明,そしてコンテンツに関するさまざまな問題を情報技術の点も含めて解説したのち,さらには現在の知的財産法制の中にありながらも情報の積極的な共有化を進める動きとしてライセンス(利用許諾)の新たな型(クリエイティブ・コモンズ・ライセンスおよびGNUライセンス)を紹介した。また,この問題に関連する事件として,インターネット上の匿名電子掲示板に書籍の内容の一部が無断転載された事案において当該電子掲示板の管理・運営者の著作権侵害責任が問われた事例(第一審:東京地判平16・3・11,控訴審:東京高判平17・3・3)を紹介し,審級により判断が異なる点を強調した。(pp.6335の11~6335の21の4(6335の24)(計14頁) 単著)

9. 著作権法コンメンタール 共著 平成21年1月 勁草書房

第1巻(1条~22条の2),第2巻(23条~90条の3)および第3巻(91条~124条・附則,著作権等管理事業法)の3分冊から成る,著作権法の逐条解説である。各条・項・号ごとの解説においては,それぞれに外国の同一ないし類似の立法例を含むなど,非常に詳細な内容となっている。

(編者:半田正夫、松田政行
執筆者:安田有三、飯島澄雄、飯村敏明、伊藤真、関堂幸輔 他計91名)

担当部分:2条7項,10条1項3号(以上第1巻),42条の2(第2巻)

まず,「上演」「演奏」「口述」には録音物または録画物によるものも含まれる旨規定している著作権法2条7項については,とりわけポピュラー音楽のいわゆる「フィルム・コンサート」において同条にいう「演奏」と映画としての「上映」とが競合する可能性を指摘した。次に,舞踊・無言劇を著作物の例示として掲げる10条1項3号については,現行法制定時の国会における議論をも紹介し,舞踊等の行為そのもの(実演)ではなく振付が著作物たりえるのだという点につき少なからず誤解があったことを説明した。また,行政機関情報公開法等に基づく開示のための利用において著作権が制限される旨を規定した42条の2(平成11年改正による追加条文)に関しては,立法の経緯として情報公開制度(条例)と著作権法との関係が争われた事例を紹介しつつ,行政機関情報公開法施行令に定められた同法に基づく開示の方法を詳細に説明するとともに,命令の改正によって著作権の制限される範囲(利用態様)が拡大する可能性を指摘した。(第1巻pp.370~376,513~520,第2巻pp.351~358(計23頁) 単著)

学術論文
1. 〔判例研究〕
離婚に伴う財産分与の対象となる財産
共著 平成8年9月 清和法学研究 3巻1号
pp.245~253
清和大学法学会

東京家審平6・5・31家裁月報47巻5号52頁についての判例研究である。(9頁)

(清水幸雄、関堂幸輔)

夫婦の一方またはその双方それぞれが創作した著作物の著作権が離婚における財産分与の対象たりえるかにつき、本件審判に照らしつつ検討をなしたものである。本件審判が、本来創作的寄与がなければ共有となるはずのない著作権を分与の対象として掲げている(ただし結論は著作権に関しては分与せず)のに対して疑問を投げかけ、一方で夫婦間においては、民法768条の「一切の事情」を考慮することによって、創作的寄与にあらざる経済的・精神的寄与をも考慮して当事者の有する著作権を分与すべきか否か等を決するべきであるとした。(担当頁特定不能)

2. 〈判例研究〉
建設会社会社案内事件
単著 平成9年3月 著作権研究 23号
pp.209~214
著作権法学会

会社案内パンフレットの原案を持ちかけた広告会社に対し、これを受けた建設会社が不採用としながらも別の業者に類似のパンフレットを作成させたことについて編集著作権の侵害が問題となった東京高判平7・1・31判時1525号150頁についての判例研究である。本件の主な争点である編集著作物における複製(特に同一性)の意義と、会社案内等の制作委託契約における当事者間の付随義務の問題を中心として検討をなした。結論には賛成しつつ、編集著作物の同一性に関する判旨については一般論としてはやや脆弱である点を指摘した。(6頁)

3. 会社案内
―永禄建設事件
単著 平成13年5月 著作権判例百選〔第三版〕
pp.70~71
有斐閣

会社案内パンフレットの原案を持ちかけた広告会社に対し、これを受けた建設会社が不採用としながらも別の業者に類似のパンフレットを作成させたことについて編集著作権の侵害が問題となった東京高判平7・1・31判時1525号150頁についての判例解説である。本件判決が、「余白」を編集物の素材と見ることで実質的にレイアウトを考慮した点、および編集著作物の同一性の認定に特徴がある点で意義あるものと捉える一方で問題点を指摘し、また、クライアントが広告業者の企画を流用したという事実的側面から、情報の不正流用による広告の製作・使用・配布等を行った当事者に対して、他方の債権的請求権に基づく差止請求権が認められる可能性に言及した。(2頁)

4. パブリシティ権に関する一考察 (1) ―その客体について― 単著 平成14年2月 東京情報大学研究論集 5巻2号
pp.59~68
東京情報大学教育研究情報センター

今日の高度情報化社会においてしばしば問題となる著名人のパブリシティ権に関する論文で、全2編のうちの1編である。そもそも明文の法条がなく裁判例を通じて形成されてきたパブリシティ権の法理(特に客体と侵害態様)を考察するに当たって、実際の事例(キング・クリムゾン事件=東京地判平10・1・21判時1644号141頁、東京高判平11・2・24判例集未登載)を手掛かりにしつつ検討した。本編では、パブリシティ権の客体となる情報が著名人の個人情報であるかどうか、そして当該著名人の業績(その装丁を含む)が客体たりえるかを考察し、業績の装丁が当該業績自体を識別させるという機能を持つことによって当該著名人への想起が遮断され、それゆえ業績の装丁がパブリシティ権の客体たりえないのではないかと指摘した。(10頁)

5. パブリシティ権に関する一考察 (2) ―その侵害の態様について― 単著 平成14年7月 東京情報大学研究論集 6巻1号
pp.39~45
東京情報大学教育研究情報センター

上記「パブリシティ権に関する一考察 (1) ―その客体について―」の続編である(完結)。パブリシティ権の客体となりうる情報とそのような情報の利用態様との関係を、民事上の不法行為法における違法性論によって主張されるところの被侵害利益と侵害態様との相関関係に準えて捉えようと試みた。すなわち、利用された情報と著名人との関連性が強くそれを直接想起させる度合いが強ければ強いほど、利用態様において例えば当該情報の用いられている分量がそれほど多くなくてもパブリシティ権侵害の成立を認めうるのではないか、という理論を展開した。(7頁)

6. オートくん事件 単著 平成15年4月 サイバー法判例解説(別冊NBL 79号)
pp.200~201
商事法務

大阪地判平14・7・25裁判所ウェブページ(平成12年(ワ)第2452号)の判例解説である。汎用表計算ソフトのマクロ機能を使用して書かれたプログラムについて著作物性を認めつつも、著作権侵害(主位的請求)を否定し、他方デッドコピーの事実から不法行為の成立(予備的請求)を認めた判決に関し、被告側の妨害意図が認定された点に特徴があるとした。また、一般不法行為の成立により救済として損害賠償のみを認めた結論に関して、情報流通による不法行為に対する救済手段としての差し止めの重要性に言及した。(2頁)

7. パブリシティ権の再構成 単著 平成15年10月 著作権研究 29号
pp.181~194
著作権法学会

著名人の氏名・肖像はもちろん、その業績等の情報やひいては動物等の非人的属性情報の如何までもが問題となりつつある昨今のパブリシティ権について、権利の構造を一から見直して再構成しようと試みたものである。具体的には、パブリシティ権を顧客吸引力を有するに至った自己情報ないしその他の情報に関する“情報コントロール権”と位置づけて、さらに情報主体という仮定概念を用いてこれと権利主体とを分離することで、権利の構造ならびにその主体および客体についての検討と整理をし、これにより上記の各問題点を包括的かつ体系的に処理しようとした。(14頁)

8. 読者らが投稿した「モーニング娘。」らタレントの写真を掲載する雑誌を発行した出版社、発行人、編集人、代表取締役につき、タレントに対するプライバシー侵害の不法行為が認められた事例
―ブブカスペシャル7事件
単著 平成17年9月 判例時報 1897号
(判例評論 559号)
pp.176~180
判例時報社

芸能人のいわゆる「お宝写真」の掲載を主とした雑誌の出版・販売が当該芸能人のプライバシー権およびパブリシティ権の侵害となるかどうかが争われた東京地判平16・7・14判時1879号71頁について考察をなしたものである。情報(特に肖像写真)の一部につき、原告側からプライバシー権侵害とパブリシティ権侵害との両方を根拠に損害賠償請求がなされ、当該請求の一部を裁判所が認容した点に特徴があるものと捉え、①プライバシー権とパブリシティ権の競合、および②無名時代の肖像とパブリシティ権、という問題点に関し具体的な検討を行った。とりわけ①については、本件書籍やいわゆる「暴露本」と称される類のものにつき、従来これをもっぱらプライバシー権侵害の問題として捉えるのが主流であった学説に対し疑問を呈し、両権利の競合の可能性を示唆した本件判決を評価した。(5頁)

9. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの意義
―契約法の観点から―
単著 平成20年11月 知的財産専門研究 4号
pp.49~64
大阪工業大学・知的財産研究科

今日の高度情報化社会では,著作物としての情報が「コンテンツ」として認識され,またその共有化を図ろうという動きもある。そうした状況でしばしば用いられるクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを,契約法(民法)の観点から,その意義,性質,効力等につき考察し,検討せんとした。具体的には,まず「コンテンツ」の意義を定め,メディアやフォーマットから解放される点にその特徴があることを説き,そこに広く情報の共有化を図ろうとする動きの根拠を見出した。次にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの概要を説明し,これに対する契約法上の問題点,すなわち,客体(対象),方式,本質的債権・債務,約款としての性格,効力範囲および承継等を指摘,その性質を検討した。(16頁)

その他
1. ヘアヌード写真集出版差止等仮処分申請事件
〔判例紹介〕
単著 平成8年8月 コピライト 425号
p.39
著作権情報センター

本決定に前後してマスコミでも大きくとりあげられ話題になった、東京地決平8・3・14判タ905号238頁を紹介したものである。タレント(債権者)の人格的利益に基づく差止とともにその所属事務所(債権者)の債権的請求権に基づく差止が認められた事例として意義があるが、その請求権の根拠、すなわち契約解除の効果として差止が認められたのか、それとも合意に基づく事前チェックを経ないことを理由に差止が認められたについて不明である点に疑問を投げかけた。(1頁)

2. Michael Lehmann
ヨーロッパにおけるデータベースに関するディレクティブとマルチメディア
〔翻訳〕
共著 平成10年3月 紋谷先生還暦記念・知的財産権法の現代的課題
pp.765~782
発明協会

データベースの保護に関する1996年3月11日の EU(欧州連合)ディレクティブならびにこれに伴う(EU における)法的問題に関する論文(原文はドイツ語、一部英語)を、翻訳したものである。(18頁)

(鈴木眞実子、関堂幸輔)

EUディレクティブ(96/9/EC)により、従来の著作権法制によるデータベース保護に加え、データの選択・配列に関して創作性のないデータベースについても保護を与える特別な権利 “sui generis(スイ・ジェネリス)”が設けられた点とそれに伴う問題点(重畳的保護について等)に関する説明がなされ、さらに国際的動向としてアメリカ合衆国のデータベース保護に関する提案が紹介されている。なお、本文の訳については主に関堂が担当し、鈴木が注釈と全体の調整を担当した。(担当頁特定不能)

3. 判例研究:「キング・クリムゾン」パブリシティ事件
〔口頭発表〕
平成12年8月 著作権法学会 判例研究会
著作権法学会

著作権法学会による判例研究会での報告で、外国のロック・グループの作品等を紹介・批評する書籍において用いられた作品のジャケット写真やミュージシャンの肖像写真が当該ロック・グループのリーダーであるミュージシャン個人のパブリシティ権を侵害するか否かが争われた東京地判平10・1・21判時1644号141頁およびその控訴審である東京高判平11・2・24判例集未登載に関する研究報告である。本件の中心的争点であるところのパブリシティ権の客体にどのような情報が含まれるか、とりわけ音楽作品のジャケット写真の使用がミュージシャンのパブリシティ権を侵害するかどうかについて、第一審と控訴審の判旨を比較しつつ検討した。

4. パブリシティ権の再構成
〔口頭発表〕
平成14年12月 著作権法学会 秋季研究会
著作権法学会

著作権法学会における研究報告である。内容は学術論文の「パブリシティ権の再構成」に同じ。

5. キング・クリムゾン事件はどう決着したのか
〔コラム〕
単著 平成16年1月 THE DIG 35号
p.159
シンコー・ミュージック

洋楽系音楽雑誌(季刊誌)において“キング・クリムゾン”の特集記事のコラムの一つとして掲載されたもので、いわゆる“キング・クリムゾン事件”(東京地判平10・1・21判時1644号141頁、東京高判平11・2・24判例集未登載)についての事実概要、判旨および判決のポイントを、想定読者層が理解しやすいようにわかりやすく説明した論稿である。著名人の肖像やその業績の装丁を用いた紹介・批評記事がパブリシティ権の侵害を構成するか否かについて、記事において用いられる情報(肖像等)の機能・性質(当該著名人を想起させるか否か等)と記事の目的(もっぱら著名人の顧客吸引力を利用しようとしたか否か)によることを指摘した。(1頁)

上記記載以外に

著書
1件
学術論文
3件
その他
5件




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