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1997/01/24

激烈! カラオケ伝 ―ああわれらのカラオケに栄光あれ!


5年ほど前ですが,当時ボクが勤めていたバイト先で打ち上げかなんかがあってその 2次会がカラオケでした。わりとゆったりしたボックスの部屋に最初は 10人で入ったのですが,最後までいたのが 6人。そしてどのくらいの時間いたかというと… ――19:00~翌 5:00(閉店)の 10時間!(なお重複した曲はたった 2曲。)

呑み食いもしたので精算すると全部で 6万数千円!でもみんなが払ったのは 500円程度でした。なぜか? ――そこのボックスのゲーム・コーナーにあったテーブル筐体の上に「モアイのクイズ」ってのが置いてあったんです(喫茶店とかによくある占いのなんかと同じようなヤツ)。100円で 10問出題されて,全問正解するとコインが出て来るんですが…そのカラオケ・ボックスではそのコインが 1万円ぶんとして使えたわけです。そのときのカラオケ仲間は雑学に強いのが多いメンバーだったので,5~600円ぶんもやればたいていは 1回くらい全問正解できるんですよ。そーすると,あれよあれよという間に「1万円玉」(我々の間では件(くだん)のコインをこう呼んでいました)がたまっていくわけで,その 10時間の時もその「1万円玉」でほとんどを支払ったというわけです。あれは今思い出してもすごかったなぁ……。ちなみに「モアイのクイズ」は,その後ボクらが行くと「故障中」になっていて,しばらくのちに撤去されました。


ボクが本格的にカラオケをやり始めたのは高校生のとき。よく,期末テストなんかが終わる度に,クラスでコンパをやったりしていたのですが,たいてい 2次会はカラオケのおいてある飲み放題 2~3000円の居酒屋(洋風含む)でしたねぇ。当時は今ほどフランチャイズ・チェーンも発達していなかったので,店のタイプはいろいろでした--ちなみに,ボックスが流行ってきたのはこのちょっとあとですね--。このような店では当然ほかの客もいるわけですから,ボックスにおいて仲間うちで歌うのとはやはり勝手が違います。誰かの歌がうまかったり,面白かったりすれば,たとえアカの他人であっても拍手喝采ということになります。

このようにして鍛えたボクのカラオケに対する基本姿勢は,「聴いている人を喜ばせ,かつ自分も楽しい」というものです。したがって選曲なども聴く人によって左右されますが,ボクの場合これはフラストレーションとはならず,むしろ聴く人の反応を見て楽しんでいました。どうやらボクはモノマネに走ってしまう傾向があるようで,これが人には受けるらしいです。また,声域も高いほうに広いのであまり他の人が歌えないような曲も歌えるのが功を奏しているようです。大学生になってからは,友人何人かで連れだって,あるいは前述のバイト先の人たちなどと一緒にカラオケ・ボックスにもよく行きましたが,このときも上の基本姿勢は変わらず,そして今でも変わっていません。そんなわけで,昨今のカラオケ・ブームにおける自己満足型の歌い方に対しては,いささか辟易しているというわけです。

そんなボクのレパートリーをここで一部ご紹介しましょう。(なお体調が悪くなければすべて原曲の key で歌える)

この中で万人にウケるのはやっぱり「殿キン」ですかね。ボクの場合,モノマネも入っちゃいますし……


おおざっぱに 8トラ-カセット-LD/CD(CD-G)と発展してきたカラオケ機器ですが,最近ではほとんどが通信カラオケ(LDと並存するものもありますが)になってしまいましたね。現在,通信カラオケには十数社が参入しているそうです。そんな通信カラオケですが,ネガティヴな面を中心に考えてみましょう。

1.映像について

LD以降映像を伴うのは,カラオケにおいてもはや常識であるとすらいえますが,通信になってちょっと様子が変わりました。それまでは音楽と映像とが対一の関係にあったのですが,通信においては音楽のジャンル等によっていくつか種別はあるものの,抑揚のないつまらんバックグラウンドと化してしまっています。LD だと,同一の会社のものであればある曲を選べば(ほとんど:店によっては異なる場合も)必ずその映像が流れたわけで,特定の映像を見るためにわざとその曲を選ぶということが可能でした。

2.音質とその関連機能について

初期の通信(JOYSOUND の初期とか)はひどい音質でしたね(今でも初期のラインナップの曲はそうですが)。MIDI 等の音源に由来するものと思いますが(詳しいことはわかりません。あしからず。),今ではだいぶよくなっています。とくに DAM あたりでは,ミキシングなども含めてかなり原曲に近い雰囲気を醸し出していて,Good です。もっとも,音質については店の設置状況に負う要素もあるわけでして,そちらのほうが重要かもしれません。

ところで,最近の通信カラオケ各社は差別化のためかいろいろな機能を付すようになりましたね。特にハモリ関係は各社工夫を凝らしているようですが・・・・ボイス・チェンジはともかく,ハモリはボクにとってみれば「よけいなお世話」以外のなにものでもありません。チャゲ&飛鳥のチャゲ役や THE ALFEE の高見沢役を得意とするボクにしてみれば,「ハモリは自分でやってナンボのもの」というポリシーがあります。だいいち,ハモリ機能ではご丁寧に原曲でハモっていないところまでハモっているものが多く,まったく「よけいなお世話」です。

3.曲数と内容について

通信になって曲数が増えたのと新曲に強くなったというのは,誰の目から見ても明らかです。特に洋楽の充実ぶりはLDのころでは考えられなかったほどです。だがしか~し!その洋楽がいかんのですよ(いささか興奮)。何がってあなた,ソロを省略しているんですよ!こないだなんて DEEP PURPLE の“Burn”でいよいよ必殺「オルガン揺らし」に入ろうとしたらソロが終わっちまいやがんの(*_*)。歌のないソロの時こそパフォーマンスの見せどころ,というポリシー(<こればっか)を持ち,かつロック系の洋楽を愛するボクにとっては重要な問題です,これは。

それと通信カラオケの会社が多いことで,選曲の際にこれに注意する必要があります。たとえば,ボクが殿キンの「けいこのマンボ」を歌おうとしても,この曲は(ボクの知る限り)JOYSOUND と 孫悟空 にしかないわけで,他の機種を扱っている場所では歌いたくとも歌えません。特に洋楽では,ライセンス(著作権にもとづく著作物の利用許諾)との兼ね合いで,この点シビアなようです。ただこれについては,各社しのぎを削ってラインナップの充実に力を入れているようですから,そのうち差がなくなるか,あるいは独占化がいっそう進むかのどちらかでしょう。


カラオケといえばカラオケ・ボックスというように,ボックスのほうが主流になって久しいわけでして,ボクもご多分に漏れず,最近ではほとんどボックスを利用しています。ボクの場合はたいてい気心の知れた連中としか行かないのですが,その際おのずとメンバーによってコンセプトが決まってくるわけです。よくあるパターンとしては「イロモノ大会」とか「モノマネ大会」あたりですね。コンセプトが決まると,反射的に禁止事項も決まってきます。たとえば,「イロモノ」では流行り歌系が禁止されます(ただし,――これは「モノマネ」でも使えますが――「SMAP のマネをするダチョウ倶楽部(のマネ)」とかはありです。とにかく面白くてみんな笑えるという基本をはずしていなければいいわけでして,どちらの場合も要は「自己満足型の歌い方」を排斥しているのですね。)。でも「おつきあい」ではこんなこと(禁止)しませんよ。誤解のないように――

このほか,かつてのバンド仲間とよくやるのが ――これは通信カラオケ普及の賜でしょうが―― 「洋楽オンリー」カラオケです。70年代の名曲から 80年代の Top 40 あたりを中心に洋楽ばかり歌い続けるのです。実は 96年の 1月 1日に,この「洋楽大会」というのを初めてやってみたのですが,4人だけでやったにも関わらず延々4時間(1:00~5:00)大盛況のうちに終わりました。(途中「王様」を歌うなど,ちょっとズルしましたけど…)帰りの総武線各駅停車の中から拝んだ初日の出が美しかった…(そのときの車掌さんが Good で,わざわざアナウンスで「みなさま,只今進行方向右手に初日の出が見えております。本年もどうぞよろしく・・・」ってなことを言ってました。)その後も何度か「洋楽大会」は行ったのですが,ボクらの間では「年末年始洋楽カラオケ」が年中行事となりつつあります。


カラオケって何なんでしょう? 10時間歌ったり,異国の地で彼国の歌を歌ったり…いろんなカラオケを体験しましたが,振り返ってふと思うのはそんなことです。ストレス解消? 接待? プレッシャー? 人によってカラオケに対する考えはさまざまなようですが,実はその根底にあるものはただひとつなのではないかと思うのです。すなわち,カラオケそれ自体はあらゆる人にとってポジティブな感情をおこさせるが,それに付随する物事によって人々はネガティブな感情を抱くのだ,と。「接待カラオケ」はその典型なのでしょう。

でもやはり,カラオケ(それ自体)は楽しいもの。一般的な生活を送る人々にとって,今日日大きな声を出して歌を歌うなんて機会は,カラオケを除けば皆無に近いでしょう。それに,誰だって一度くらいは自分の好きな歌なんかを口ずさんだことがあるはず。カラオケでは堂々とそれができるのです。気のおけない仲間どうしでのカラオケは,やはり最高ですよ!

1980年代はじめに登場したカラオケ。その後,騒音や著作権との関係で訴訟ざたも数多くありました。カラオケ・ボックスの隆盛とともにこれが非行の温床になるというような指摘もありました。でもカラオケは,――みなさんもご存じのように―― 国民的レジャーといわれるまでに発展してきました。そんなカラオケの明るい未来を信じて,ボクは今日もカラオケ讃歌を歌います。 (完)





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